移民労働者の話 その2

  • 2019.02.05 Tuesday
  • 21:53

元東京都知事の舛添要一氏が、現在話題になっている入管法改正について警鐘を鳴らしている。日本はかつての欧州の轍を踏むのではないかという懸念があるようだ。彼によれば将来、移民の第三世代が社会問題を引き起こしやすいというのだ。たしかに今、欧州で頻発するイスラム原理主義のテロは、この第三世代が中心になって引き起こしているのは事実だ。

なるほど、現在の大問題はそれかも知れない。しかし、移民労働者とその国の人たちとの軋轢、摩擦はそれだけではない。

 

私自身、1980年代のフランスで学生時代を過ごしていたので、移民達の存在が社会にどのような問題を引き起こすのかを、目の当たりにした。しかし、当時はまだフランスの移民達はせいぜい第二世代。にも関わらず、すでに大きな社会問題になっていると言われていた。それは失業率の高まりと符合するものだった。移民労働者達が、生粋の仏人達の職を奪い、失業率を高めるという主張が一部の人達からあったのだ。

 

当時、Front National という極右政党の党首が言っていた。「フランスには今、200万人の失業者と、200万人の移民労働者がいる」と。この数字は事実だったが、両者の因果関係を証明した人はいない。たとえば町の清掃、ゴミ回収のような汚れ仕事をしているのは、ほとんどがアフリカ諸国からの移民だった。たまに白人が混ざっているとしても、ポルトガルやギリシャからの出稼ぎ移民だった。さらにインドシナ、中国系移民はアジア風の飲食店や、クリーニング屋を経営したり、もう少し小ぎれいな仕事に就いていた人が多いと記憶する。つまり、出自・人種別の分業があったのだ。特に3K就業者は黒人、アラブ人ばかり。「白いフランス人」がそういう仕事をする風潮はなかった。

 

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